冷凍・冷蔵設備の節電対策

冷凍機 対策

膨張弁の調整・整備不良が原因でコンプレッサーの吸入配管に普段より多く霜がつく「液バック」は、コンプレッサーの能力を大幅に低下させます。圧縮機が吸い込む冷媒が完全に蒸発せず液で戻ってくるとコンプレッサー内で再膨張し、圧縮機にダメージを与えるとともに効率を大幅に低下させます。液バックしている状態だと、コンプレッサーが吸い込むガスの量が少なくなり、うまく圧縮できなくなることから、冷蔵庫が冷えなくなり、電気を普段より多く使ってしまいます。コンプレッサー本体についても定期的なオーバーホールはもちろん、オイルをまめに交換するだけでも能力低下を防ぐ効果があります。

今使っている膨張弁が温度式膨張弁であれば、電子式膨張弁にするだけでかなり効率がよくなります。クーラーファンや冷却水ポンプにインバーターつけることも、消費電力削減に有効です。

水冷式コンデンサーであれば掃除をするだけで電力消費が1割近く減ることもあります。また、空冷式の場合は、散水装置をとりつけると省エネルギー効果があります。その場合、水をただ上から流すよりも霧のように細かな水滴で全体をまんべんなくぬらすようにすると、凝縮温度がより低下し、節電効果が上がるだけではなく、水の使用量を抑えることもできます。過去の実績として、散水した瞬間に電力量が10%削減した例もあります。また、空冷式の場合、室外機に直射日光が当たらないように、ひさしやよしずをつけると、予想したよりも節電効果があります。試してみてください。

冷蔵倉庫 対策

夏に向けて、しっかり庫内をチェックしましょう

庫内ダクト

ダクトに氷が詰まっていると風が吹かなくなり、冷蔵庫が冷えなくなるので冷凍機が自動停止せずに常に動いてしまい、電力を浪費します。確認しておきましょう。あわせて、温度センサーが正しい温度を示しているか、標準温度計などで実際に測って確認しましょう。余計に冷やしている場合があります。冷蔵庫は、早く冷やして長く停めると補機を停めることができるので、大きな省エネルギーにつながります。

リリーフ弁

リリーフ弁はデスロストなどのとき、庫内の空気が膨張するため、その圧力を逃す役目を持っています。プレハブ冷蔵庫では、ここが凍りつかないようにヒーターがついていますが、故障して氷が付き、弁がきちんと閉まらないものを見かけることがあります。きちんと閉まらないと冷気が漏れてしまいますので、点検してみてください。

ファン

もしファンが壊れてしまった場合、停止したファンの吹き出し口から空気を吸い込んでしまい、空気がショートパスして冷却器に流れません。もしも修理が間に合わない時は、壊れたファンのところだけ板などで塞いでしまったほうが、空気がしっかりと冷却コイルに流れるので、ふさがないときよりも庫内を冷やすことができ、省エネルギーにつながります。ファンが壊れたことを放っておくと、いつまでたっても冷蔵庫が冷えず、余分な電気をたくさん使ってしまいます。ダクトの中でファンが見えないときは、電流値がおかしくないかを確認しましょう。できれば目視が最良です。

外壁など

外壁や屋上に直射日光が当たらないようにするだけでも節電効果があります。冷蔵庫の天井裏に熱がこもっている場合があります。電力に余裕がある時は、天井裏の換気扇を稼働させ熱がこもらないようにしましょう。天井に散水装置を取り付け、水を撒いただけで、室内の温度が2℃程度下がったとの報告もあります。特に鋼板の屋根には効果がありそうです。ただ、水によっては屋根をいためることになりますので、注意して行ってください。

運転方法によって、さらに省エネルギー

デフロスト

散水式の場合、水温を上げすぎると庫内全体をあたためてしまいます。庫内温度を上げすぎないように適温で散水することをおすすめします。ただし、あまり温度を下げすぎると水がクーラーの中で凍結してしまうので注意しましょう。ヒーターデフロストの場合、タイマーでデフロストをかけている場合が多く、霜がついていなくてもデフロストモードに入ってしまう場合があります。霜のつき具合を確認して、デフロストの回数を最小限に抑えることで、大きな省エネルギーになります。

夜間電力の使用

夜間にできるだけ冷蔵庫を冷やし込んで蓄熱することで、日中のピーク時に冷凍機を停めることができ、ピークカットにつながります。夜間は設定温度を下げ倉庫を目いっぱい冷やす。また、氷や荷物をいっぱい詰め込んでおけばなお保冷効果があります。できるだけ開閉しないことも大切です。

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