Mayekawa

シェフ・クオリティの総菜を開発・製造するイオンフードサプライ「Craft Delica Funabashi」新設。生産性向上に加え、地球環境に優しい自然冷媒機器を採用。

イオンフードサプライ株式会社様は2024年6月6日「まいにち、シェフ・クオリティ」をコンセプトに総菜プロセスセンターとして「Craft Delica Funabashi(クラフトデリカ船橋)」を本格稼働されました。

家庭のおかずの代替ではなく、定番品に加え、レストランメニューを気軽に手ごろな価格で楽しめる総菜を提供できる体制を整え、総菜のアウトパック、ソース・たれ・食材などのキットを製造しています。
クラフトデリカ船橋の大きな特長として、従来型のプロセスセンターとは異なり、商品開発の段階から、企画、料理、製造、店舗のプロチームが集結し、一気通貫でシェフ品質の総菜を追求するSPA*体制を構築されました。

現在、約40品目の総菜を製造。今後100品目まで伸ばしていく予定だそうです。

*Speciality store retailer of Privete label Apparel の略

マエカワは、加工室内で稼働するフリーザーや解凍庫、自然冷媒冷凍機など、クラフトデリカ船橋の生産を支える様々な機器を納入させていただきました。

今回は、マエカワの機器を導入いただいた理由や今後について、総菜部 PC運営管理の水谷さん、三木さん、クラフトデリカセンター長の木戸さんにお話を伺いました。

お話を伺ったメンバー

  • 水谷 祐輔(みずたに・ゆうすけ)さん

    総菜部 PC運営管理

  • 三木 勇人(みき・はやと)さん

    総菜部 PC運営管理

  • 木戸 慎一(きど・しんいち)さん

    クラフトデリカセンター長

食の多様化とプロの味を気軽に購入したいというニーズに応える「次世代総菜プロセスセンター」

シェフ・クオリティ品目を多品種生産できるプロセスセンターを目指した背景をお聞かせください。

水谷:これまでスーパーにおける総菜売場は、主に家庭的メニューを提供することにより家事負担の軽減を目的としていました。近年は食の多様化によってシェフ・クオリティな総菜を気軽に購入したいというニーズが高まっています。そこで高品質かつバラエティ豊かな売場の創造を支えるための、次世代総菜プロセスセンター構想の第一弾として、旗艦工場という位置づけでクラフトデリカ船橋を立ち上げました。

クラフトデリカ船橋のエントランスに掲げられたロゴマークと思い

クラフトデリカ船橋で一括処理可能な調理工程を済ませておき、店舗で最後の仕上げを施し、お客様にできたてのおいしさを届けることで、店舗での作業負荷軽減を実現しました。

たとえば、時間のかかる煮込み料理などはSPA体制にマッチしたレシピです。クラフトデリカ船橋でじっくり煮込んでおき、高い品質を保ったまま店舗に配送し、総菜コーナーに並べる前に仕上げるといった具合です。

三木:調理に手間のかかるソースも自社製で、クラフトデリカ船橋をはじめ各地のプロセスセンターで作っています。自社生産であることが私たちのこだわりです。

水谷:クラフトデリカ船橋では、一部商品の全国供給を開始しています。全国配送も視野に入れて作られた設備になっていますので、段階的に全国に供給する品数を増やしていければと考えています。

三木:全国供給を可能にする技術として欠かせないのは冷凍です。この部分で冷凍機とフリーザーの両方を展開しておられるマエカワさんの技術を採用させていただきました。導入後、特に驚いたのが新たに立ち上げたラインで生産した唐揚げの食感です。冷めても柔らかく、衣がサクサクで長く楽しめる商品にすることができました。


検討時の実機テスト、施工管理、導入後のフォローアップに至るまで、一貫した「安心感」が決め手

マエカワにお声がけいただいた理由や決め手をお聞かせください。

水谷:既存のプロセスセンターでマエカワさんの機器を導入していたという実績もありますが、大きな要因としては、機能検討時のテストに対する考え方、設置工事の管理体制、導入後のフォローアップに至るまで、しっかりと寄り添っていただける体制に安心感があったことが大きいです。

具体的には、マエカワさんのテストラボで、フリーザーや解凍機の運転条件の設定や製造時の実機環境を再現していただいた上でテストを実施することができました。これにより据え付け後の試運転ではこちらが想定していた通りの条件設定がぴったりと当てはまりました。

木戸センター長:解凍庫については、別のプロセスセンターでマエカワさんと一緒にテストをして採用することにした手法が進化を遂げ、現在のクラフトデリカ船橋につながっています。これからもマエカワさんと一緒に設備としてのレベルをどんどん上げていきたいですね。

解凍庫(CO₂冷凍機を採用)

三木:運用が始まったら設備を扱う側が安心して使い続けられることが大切です。マエカワさんは自社によるアフターサービスも展開しておられますので、それが選定要因としては大きかったですね

水谷:我々からすると、運用が始まってからの方が機械との付き合いが長いわけですから、そういった中で安心感があるメーカーさんの機械を選定したいという思いは大きいですね。

三木:マエカワさんは納めて終わりではなく、工事前から変わらない姿勢でずっと私たちに寄り添ってくださっています。これからは私たちが運用する段階であることは承知していますが、マエカワさんの機械、サービス体制であれば、これからも安心して自分たちで機械を扱い続けることができると感じています。

運用が始まった現段階になっても「マエカワさんにお願いしてよかった」という気持ちに変わりはありませんので、そこがマエカワさんの強みだと思います。

サステナビリティの一環で自然冷媒冷凍機を採用、フリーザーもセットで導入

今回、各種自然冷媒冷凍機を採用いただいています。特にアンモニアを用いた装置の導入はハードルが高いと感じられるエンドユーザー様もいらっしゃいますが、不安はありませんでしたか。

水谷:イオングループ全体でサステナビリティに力を入れている中で、マエカワさんからタイムリーに各用途に合った自然冷媒冷凍機を提案いただきました。

マエカワさんの守谷工場を訪問し、実際にNH₃/CO₂冷媒採用の自然冷媒冷凍機「NewTon」の製造過程を見学させていただきました。機械の特長やアンモニアの漏洩対策について詳しく説明いただく中で「NewTon」はバージョンアップを重ねられ、すでに4世代目に入っている、さらに進化を続けていくとのことでしたので、そういった理念の機械であれば安心できると考え、導入を決めました。こういった姿勢から、他社に比べると自然冷媒に対する知見が進んでいる印象もありますね。

自然冷媒冷凍機「NewTon」をはじめとする冷凍・冷却設備一式

「NewTon」は冷凍用途で、マエカワさんのフリーザーと組み合わせて活用しています。マエカワさんの総合的なフォロー体制であれば、機器の相性といった観点からも間違いないという安心感があります。今回チルド冷却対応のフリーザーも導入し、CO₂コンデンシングユニット「COPEL」と組み合わせました。クラフトデリカ船橋では配送してすぐ店舗に並べることができるパック総菜も取り扱っており、そういったものではしっかりした冷却が必要になるためです。

CO₂コンデンシングユニット「COPEL」

商品の品質、衛生性、稼働の安定性に加え、熟練度がなくても運用しやすい機器

クラフトデリカ船橋の運用が始まり、機器の使い勝手はいかがでしょうか。

水谷:商品の品質、衛生性、稼働時の安定性など、生産中も安心して見ていられます。フリーザーにおいては、だれでも簡単に扱える操作性の良さに非常に満足しています。

三木:食品業界全般にあてはまることだと思いますが、これからどんどん人材の確保が難しくなります。そこで、これからはますます熟練度を必要としないラインが求められていくと思います。熟練者に頼るような専門的な作業はなるべくなくして、簡素化していきたいです。教育は一番労力がかかる部分なので、簡単に扱える機器であれば教育にかかる負荷も低減できます。そういった面から、マエカワさんのフリーザーは使い勝手が良いと感じています。

フリーザー各種

マエカワに期待することはありますか。

水谷:人手不足というと、作業者ばかりクローズアップされがちですが、生産設備の管理にも人材が不可欠です。マエカワさんには、メンテナンスや普段の設備管理面で、誰でも簡単にメンテナンスできる、洗浄できる、そういった機能をさらに充実させていただけるとありがたいと思っています。

商品の付加価値を高めたり、生産効率を上げたりすることができる冷凍・冷却設備の開発にも期待しています。

木戸センター長:マエカワさんにはこれまで本当にしっかりフォローしていただいてありがたい思いです。今後もいろいろ相談させていただきたいと思っています。

木戸センター長

商品の品質、鮮度を維持した「おいしさ」をクラフトデリカ船橋の総菜を通じて広めていく

これから総菜やチルド食品についてどのような展望を描いていらっしゃいますか。

水谷:プロセスセンターにおいて、店舗での人手不足解消に対する貢献、鮮度延長、おいしさを維持した商品の供給は、これからますますニーズが高まっていくと考えています。人手不足を念頭に、どんどん店舗作業の低減に向けた工夫に取り組んでいきたいです。

冷凍の方がおいしいという商品も出始めていますので、プロセスセンターで作る中間品の供給においても妥協せずに、品質第一でやってきます。

三木さん、水谷さん

三木:グループとしても冷凍食品は力を入れている分野です。イオンの特長であるお手頃価格をしっかり踏襲しながら、品質も妥協しない。クラフトデリカ船橋の総菜を通じて、おいしさと品質を消費者の皆様に広めていく。これが、これからの課題であり目標であると考えています。

クラフトデリカ船橋への納入機器

連続式急速冷却・凍結装置
Thermo-Jack Rey(サーモジャック レイ)

「洗浄性」「視認性」「コンパクト」「最適冷却」をコンセプトに食品加工の現場で培ってきた技術とノウハウを詰め込んだ最新型の冷却、凍結フリーザーです。 また蒸気殺菌やCIP洗浄を標準装備しており、高い衛生管理が求められる製品冷却に最適なモデルです。

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全国54拠点でお客様のそばでサポート

お客様がお困りの際にすぐに対応できるよう、
マエカワのサービス拠点は全国各地に広がっています。
お客様ごとのサービス履歴をお客様に一番近い拠点で保管・管理し、
お客様のプラントの特徴を各サービスマンが共有しています。