Mayekawa

「ユニリーバ」が “気候変動へのアクション” 実現に向けて自然冷媒ヒートポンプに求めるもの

ユニリーバ・ジャパン様は、世界最大級の消費財メーカーであるユニリーバの日本法人です。「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」をパーパスに掲げられ、気候変動へのアクションにも積極的に取り組まれています。国内の全事業所を100%再生可能エネルギーで運用されるなど、他に先駆けた取り組みを推進されています。

相模原工場は「Lux」や「Dove」などのシャンプーやコンディショナー、ボディウォッシュ、泡洗顔など、ユニリーバ・ジャパンのヘアケア、パーソナルケア製品の約70%を生産する日本における生産拠点です。2023年11月に、化石燃料を使用せずに電気で温水と冷水を作り出すマエカワのヒートポンプである水熱源エコキュート「ユニモ WW」を「Dove」のボディウォッシュ、コンディショナーの既設生産設備に組み込み、製品1トン当たりのエネルギー消費量を1割削減されました。

「ユニモ WW」を導入するに至った経緯や、導入後の効果について相模原工場プラントエンジニアリングスーパーバイザーの石川順一さんにお話を伺いました。

お話を伺ったメンバー

  • 石川順一(いしかわ・じゅんいち)さん

    相模原工場
    プラントエンジニアリング
    スーパーバイザー

「サステナブルな暮らしを“あたりまえ”にする」を実現するための気候変動へのアクション

ユニリーバ様全体としての環境への取り組みを教えてください。

ユニリーバは「2030年までに事業活動からの温室効果ガス排出量ゼロ」「2030年までに製品ライフサイクルから生じる温室効果ガスの負荷を半減」という従来の目標に加えて「2039年までに原料調達から店販売までのすべての過程で、製品からの温室効果ガス排出量を実質ゼロにする」といった極めて高い目標を掲げています。各国のユニリーバがこの目標を達成するために、工場やオフィスからのCO₂排出量の削減、再生可能エネルギーを積極的に活用するなど、日々気候変動に対するアクションを行っています。


相模原工場としての環境への取り組みをお聞かせください。

相模原工場では2015年から、ユニリーバとして初めて、国内すべての事業所でグリーン電力証明書・Jクレジット・非化石化証明書を活用し、100%再生可能エネルギーを実現しています。2016年には、主力協力工場にもこの取り組みを広げました。これにより、年間約4,900トンのCO₂を削減しました。

カーボンニュートラルを達成、エネルギー使用量前年比3%削減へ

「ユニモ WW」の導入前に抱えておられた課題、導入に至るまでの経緯を教えてください。

相模原工場の生産に必要なエネルギーに関しては2015年にカーボンニュートラルを達成していました。
次のステップとして、生産1トンあたりのエネルギー使用量を前年比3%減を目標として省エネルギー活動に取り組んできましたが、日々の小さな取り組みでは目標達成が難しい状況でした。
以前から、現状の昇温設備よりも省エネルギーで高効率なヒートポンプに注目しており、ヒートポンプ導入によるエネルギー削減を検討していました。昨今の燃料価格高騰に対応するためにも、今回本格的に設備投資を進めることになりました。

ユニリーバ・ジャパン株式会社 相模原工場


いくつかの選択肢があったと思われますが、マエカワの提案を選んだ理由を教えてください。

まず、相模原工場の製造工程に必要な能力と「ユニモ WW」の能力が非常にマッチしていたことが挙げられます。
相模原工場の生産品目であるシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュは、原料を温水で溶かし、冷水で冷却する工程があります。この昇温工程と冷却工程に対して、最適な温度の水を供給したいというユニリーバの意図と、ご提案いただいた「ユニモ WW」の特長である温水と冷水を同時に取り出せるという機能が重なったことが大きかったです。
また、産業用機械でありながら限られたスペースに設置可能なコンパクトなサイズであることも選定理由の一つです。既設の生産設備に組み込んだのですが、最小限のレイアウト調整で設置することができました。

ヒートポンプで既設ボイラー&チラーの負荷を削減

導入いただいたシステムの良さ、ポイントはどんなことでしょうか?

やはり冷温同時取り出しが可能という機能性と、COPが非常に高いヒートポンプを組み込むことで実現する、省エネルギー性がこのシステムの良さになります。
また温水において、90℃まで昇温可能な装置ということもポイントで、相模原工場が装置に求める能力として、外すことのできない条件でした。「ユニモ WW」で作り出した90℃の温水を既設ボイラーで昇温し、同時に取り出せる6℃の冷水を既設チラーで冷却するシステムとなり、既設ボイラー及び既設チラーにかかる負荷を大幅に削減しました。

ヒートポンプは課題解決に対して貢献できましたか?

生産設備に追加された「ユニモWW」×2台

昇温に使用しているボイラーに供給される都市ガスを、導入前に比べ約17%削減できています。またエネルギー全体としても約10%削減できており、十分に環境活動に貢献できる設備となっています。
※2023年11月導入、実績として原単価(製品1トン当たりのエネルギー消費量)で10%程度削減


相模原工場における今後の展望をお聞かせください。

相模原工場内には同様の工程が含まれる設備が存在するため、そちらの設備への水平展開も視野に入れています。ユニリーバはこれからも歩みを止めることなく、「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」の実現を目指していきます。

マエカワとの取り組みを振り返って感想をお願いします。

ヒートポンプ導入にあたり、最も機器効率が発揮できるご提案をいただいたことはもちろんですが、例えば配管ワークについてもエア噛みを防ぐ方法等をご提案いただき、ユーザーの立場に立った視点でフォローしていただくことができました。私自身非常に仕事を進めやすかったと感じております。
今回の「ユニモ WW」以外でも省エネルギー機器導入について、マエカワさんと協同で進めて行ければ、さらなるメリットを生み出していくことが可能なのではないかと感じております。

ユニリーバ・ジャパン相模原工場での導入機器

水熱源エコキュート ユニモ WW

自然冷媒CO₂のヒートポンプで温水と冷水を同時に供給します。最高給湯温度は90℃、チラー水またはブライン冷却にも対応します。未利用熱(温排水・冷却水など)の有効利用も可能です。

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